叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい
ただいま
一体ここは……
ピッピッピッピッピッ…………
規則的に鳴る機械の音……。
うるさい…。
はぁ、戻ってきてしまった……。
この音でどこにいるのか分かってしまった。
聞き慣れた機械音。
そして後からやってくるお腹の痛み。
さっき感じてたものよりもだいぶ少ない。
あの大量の冷や汗はどこに行ったのか。
もうあんな激痛を味わいたくない。思い出しただけでも身震いする。
過去に味わったことのない痛み。
今私が思うことは、あの痛みが和らいで良かったということだけ。
あれからどうやって病院に来たのか、ということが一瞬よぎったけど、すぐに考えるのをやめた。
それよりもまだ眠い。
シャッ!
はっ!?
『あ、目が覚めてるね。
どう、美咲ちゃん。』
突然のカーテンの音にビックリして眠かった目がしっかり冴えた。
入ってきた白衣の先生の声は、昔から知ってる……。
そして、一昨日も会った……。
「えっ!?」
酸素マスクの中でくぐもった声が出る。
「どうしてここに?」
あれ?いつもの病院とは違う?
え?え?え?
先生の顔を見て、今どこにいるのかわからなくてなっていた。