叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい

目を開けるとまた規則的な機械音が鳴っている。両側にたくさんの管がつながれて、前回の状況よりも騒がしい気がする。






目が覚めてからどのくらい経ってからのことか、カーテンが開くといつもと見慣れない看護師さんが入ってくる。






『目が覚めたのね。』






あれ?いつもと違う?





『ここはね、集中治療室よ。






脱水状態になって病室で倒れてしまったの。』






へ?脱水?





私の表情からどんな状態だったのか説明をしてくれる看護師さん。







『体が回復するまでここにいるけど、回復すれば元の病棟に戻れるからね。もう少しの我慢よ。』






そう言い残し、部屋を後にする。







また一人……。ぐっと寂しさが増す。







こんな慣れないベッドに一人…。
今朝からずっと眠っていたのか、全く眠くない。
きっとかなり眠っていたのだろう。今が何時からも分からない。






こういう時にスッと眠れるならいいけど、全く眠気がないのも困る……。
外の光は入ってこない。一体何時なんだ?







ただ、周りの音が静かだということと、若干部屋の照明が薄暗くなっているから、きっと今は夜……。





そう思うとさらに寂しさが混みげてきた。



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