叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい
『これがどんなに怖いことか分かるか?美咲ちゃんの身体にとって、とても恐ろしいことだって。』
そんなこと知ってるよ。
それでも、私だって普通の子と同じようにしたい。
これから先だって、こんな食生活嫌だよ……。
『藤堂先生にはこれから話す。
それから、お父さんにも連絡するからな。』
えっ!?
それだけはっ!
怖くて見られなかった田中先生を見上げると、立ち上がり部屋を後にしようとしていた。
「………………。」
パパに言わないで……。
そう言いたかったけど、言葉が出てこなかった。
どうしよう……。パパに、全て知られてしまう。
学校のこと、食事のこと、嘘ついてたこと……。
それから私は咄嗟に体を動かして、手に付けられていた点滴を全て外した。
そして、それからはほとんど記憶がないほど、緊張しながら、誰にも見つからない方法で抜け出し、病院から出ることに成功した……。