叶わぬ恋…それでもあなたを見ていたい
部屋に入ると、そこは懐かしくて昔から何も変わらないありさの部屋。
『喉乾いたでしょ?』
そういうと部屋を出たありさは一階へ降りて行き、私に麦茶を持ってきてくれた。
『部屋、暑くない?』
私がなぜここにいるのか、一切聞かず私を気遣ってくれる。
そんなありさに全てを話したくなる。
「ありさ……聞いて……。」
ようやく誰かに話せると思うと、自分だけに隠しておいた気持ちがどっと涙と一緒に溢れ出た……。
私がなぜここにいるのか、入院する前の学校でのこと、入院に至ったこと、そして入院中でのこと。
先生やパパたちを裏切っていたこと。
悪いとはわかっていても、どうにもできないこの気持ち……。
どのくらい経ったのか分からないけど、ありさのベッドに腰掛けながら話していると、気付いたら眠ってしまった……。