恋を忘れたバレンタイン
私は彼に支えられたまま、マンションのエントランスを抜けた。
そのまま、彼は、隣のビルへと入って行った。よく見ると、『清水医院』という表示が見える。
ああ、隣りのビルだったんだ。
なんだかんだ言いながらも、私は結局彼の言いなりになっている。
体が弱っていると、気持も弱くなってしまうものなかのかと改めて実感する。
自分の意志とは、全く違う方へ事が進んでしまっているのだから……
薬を処方してもらい、また、彼のマンションへと戻る。
さすがに、彼も仕事に行くのだから、私は帰らなければならない……
「タクシー拾ってくれる? そろそろ帰るわ」
私は、寝室のベッドに座り言ったのだが、彼は、返事もせず私からコートを脱がした。
「少し食べないと薬を飲めませんね。おかゆ持ってくるので少し待っていて下さい」
彼は、そう言って私に布団を掛けると、寝室を出て行った。
聞こえない分けがない。
どうも彼は、私の意志を無視しているような気がする。
でも、正直、帰る事はしんどい……
それを彼は、分かっているのだろうか?
だとしたら、彼はとても親切で面倒見のいい人だ。
だけど、内心は帰って欲しいと思っているかもしれない。
そのまま、彼は、隣のビルへと入って行った。よく見ると、『清水医院』という表示が見える。
ああ、隣りのビルだったんだ。
なんだかんだ言いながらも、私は結局彼の言いなりになっている。
体が弱っていると、気持も弱くなってしまうものなかのかと改めて実感する。
自分の意志とは、全く違う方へ事が進んでしまっているのだから……
薬を処方してもらい、また、彼のマンションへと戻る。
さすがに、彼も仕事に行くのだから、私は帰らなければならない……
「タクシー拾ってくれる? そろそろ帰るわ」
私は、寝室のベッドに座り言ったのだが、彼は、返事もせず私からコートを脱がした。
「少し食べないと薬を飲めませんね。おかゆ持ってくるので少し待っていて下さい」
彼は、そう言って私に布団を掛けると、寝室を出て行った。
聞こえない分けがない。
どうも彼は、私の意志を無視しているような気がする。
でも、正直、帰る事はしんどい……
それを彼は、分かっているのだろうか?
だとしたら、彼はとても親切で面倒見のいい人だ。
だけど、内心は帰って欲しいと思っているかもしれない。