恋を忘れたバレンタイン
 そのまま、彼に胸を何度も口づけされ、口の中で吸われる。

 我慢できず、甘い声が漏れる。

 そして、彼の手が、部屋着のズボンをするりと下ろした。

 ショーツだけになった体を、彼が見下ろしている。


 私は、顔を横に背けた。


 太腿へと降りてきた彼の手を、止める事が出来ない。

 足を閉じようと力を入れた。
 だが、彼の手の力には敵わず、足は開かされていく。

 彼の手が、ショーツの中に入るとたまらず声が上がり、固く目を閉じた。

 彼は、手を休める事なく、また私の唇にキスを落とす。
 彼の手が、ショーツをするりと脱がした。


「目を開けて…… 俺を見て……」

 彼の、切なそうな声が耳もとに響く。
 私は、目を閉じたまま首を横にふる。

 彼の手が、焦らすように敏感な部分に触れそうで触れない……

「大丈夫…… お願いだ、目を開けて……」


 私は、ゆっくりと目を開けた。
 その先には、彼の苦しそうな顔がある。


「美優……」 

 彼に名前で呼ばれ、胸がキュンと苦しく音をたてた。


「美優.… 俺を見て…… 俺を感じて……」

 
[あっ……」

 彼の指が、敏感な部分に触れ、体がのけ反った。

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