恋を忘れたバレンタイン
「美優……」

 彼の指が、激しく弄りだす


「もう…… あっ……」


 自分でも信じられないくらいの甘い声が漏れる。


「美優…… 俺の名前呼んで」


「信也……」

 たまらず、擦れた声で彼の名を呼んだ。


「美優……」

 彼は、私から目をそらさず、太腿をあげ私の中へ入ってきた。


「ああっ…… 信也……」

 自分から彼の名を呼んでしまった。



「美優……」

 何度も何度も、お互いの名を呼ぶ。


「もう…… だめ……」


 私は、彼の背中に手を回し力いっぱいしがみついた。


 悲鳴のような声をあげてしまい、そのまま力尽きた……
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