恋を忘れたバレンタイン
「何をしているんですか?」
彼の低い声に、私は、チョコレートをくわえたまま振り向いた。
「……」
パジャマ姿の彼の目が大きく見開いた。
「まさか、そのチョコ……」
彼が、歩いて近づいて来る。
私は、チョコレートを口にくわえたまま、彼を見つめる。
すると彼はぐっと近づいたかと思うと、私の口からはみ出ていたチョコレートをかぶりと齧った。
私も、残ったチョコを口の中で溶かす。
お互いの唇が、今にも重なりそうな距離でチョコを味わう。
口の中に、ほどよい甘さが広がる。
「美味しいわね……」
思わず、そんな言葉が漏れた。
だが彼は、顔を近づけたままギッっと私を睨んだ。
「どうして食べちゃうんですか? あなたは、本当に何も分かっていない……
俺が、このチョコを手に入れるためにどれだけの勇気がいたのか? この一か月、どんな思いでこのチョコを見ていたのか?
海外にまで持って行ったのに…… あなたと言う人は……」
彼は、全てを言い終わらないうちに、私の唇へ重ねてきた。
甘い味が、お互いの口の中を行ったり来たりしている。
彼の手が、後ろに回り益々キスは深くなっていく。
僅かに、唇が離れると……
「ゆるしませんから…… いつまでも、自分のペースになるなんて大間違いですからね。覚悟して下さい……」
そう言った彼に、私の体は持ち上げられた。
「ひや―っ。チョコぐらい、いくらでも買ってあげるわよ」
「そういう問題じゃない!」
怒っている彼の首に手を回す。
「そんなに怒らなくても……」
私は、彼を見上げて言った。
上からジロッと睨んだ後、彼の唇が耳もとに近づいた。
「好きです…… 前にも言ったんだけどな……」
彼が、少し困ったように笑った。
彼の低い声に、私は、チョコレートをくわえたまま振り向いた。
「……」
パジャマ姿の彼の目が大きく見開いた。
「まさか、そのチョコ……」
彼が、歩いて近づいて来る。
私は、チョコレートを口にくわえたまま、彼を見つめる。
すると彼はぐっと近づいたかと思うと、私の口からはみ出ていたチョコレートをかぶりと齧った。
私も、残ったチョコを口の中で溶かす。
お互いの唇が、今にも重なりそうな距離でチョコを味わう。
口の中に、ほどよい甘さが広がる。
「美味しいわね……」
思わず、そんな言葉が漏れた。
だが彼は、顔を近づけたままギッっと私を睨んだ。
「どうして食べちゃうんですか? あなたは、本当に何も分かっていない……
俺が、このチョコを手に入れるためにどれだけの勇気がいたのか? この一か月、どんな思いでこのチョコを見ていたのか?
海外にまで持って行ったのに…… あなたと言う人は……」
彼は、全てを言い終わらないうちに、私の唇へ重ねてきた。
甘い味が、お互いの口の中を行ったり来たりしている。
彼の手が、後ろに回り益々キスは深くなっていく。
僅かに、唇が離れると……
「ゆるしませんから…… いつまでも、自分のペースになるなんて大間違いですからね。覚悟して下さい……」
そう言った彼に、私の体は持ち上げられた。
「ひや―っ。チョコぐらい、いくらでも買ってあげるわよ」
「そういう問題じゃない!」
怒っている彼の首に手を回す。
「そんなに怒らなくても……」
私は、彼を見上げて言った。
上からジロッと睨んだ後、彼の唇が耳もとに近づいた。
「好きです…… 前にも言ったんだけどな……」
彼が、少し困ったように笑った。