放課後4時10分、校舎5階で君を待つ。※リメイク版

もし彼氏ができたら、一緒にお弁当を食べたいな、なんて淡い期待を胸に入学した高校も2回目の春を迎えてしまった。

高校生になれば少なくとも好きな人なんて自然に出来るだろうと思っていた。

だけどそれは間違いだった。


「美空どうすんの? このままだと高校生活、何もないまま終わっちゃうよ?」


机を向かい合わせにして座る莉奈が、少しニヤニヤしながらプチトマトを口にした。

高校で知り合った莉奈とは、2年連続同じクラスで、いつも一緒にいる子だ。

綺麗な平行二重の奥にある瞳は、吸い込まれてしまいそうな程綺麗な黒をしており、肩につくぐらいのボブの髪も同じく綺麗な黒色だ。

同性から見ても綺麗と思ってしまうほど顔立ちが整っている。




< 10 / 74 >

この作品をシェア

pagetop