マジ恋相手は高校生


「あの頃のこと?」


「うん あの頃のこと
オレを傷つけておいて
平気で暮らせてるよな!」


平気で暮らしてなんかない
こっちが謝ってほしいわ!


「あんたね!
よく言うよ!こっちだって・・・」


ついつい興奮して声が大きくなり
「声がでかい!」と指摘され
小声になる。


「そんな大きな声出されると
周りにへんなに見られる
今度ゆっくり話そう」


「話すことなんて2度とありません
じゃあ」と葵くんから離れ病室方面へ。


すると付いて来る葵くん。


「ついて来ないでよ」


「自惚れんな!
こっちに用があるの!」


「あっそう」


私は父の部屋より
反対方向に向きを変え
ナースステーションの前の広場の
ロビーに向かった。


するとすぐさま追いかけてきて
「どうして向き変えた?」
と聞いてくる。


「間違っただけ」


「オレと会って動揺したからか?」


「違う!」


「これから小島さんの部屋に
行くんだけど萌香って
小島じゃなかったっけ?」


「・・・・・
それがどうしたのよ」


「リハの担当患者に小島さんって
言う人がいるんだけどお父さん?」


「ち・違うよ
たまたま同じ苗字だけでしょ
小島っていう名前ゴロゴロと
居るわ!」


「ふーん なるほどね」
1人で納得している葵くん。


「ふふっ 正解ということか
嘘ついたな!知り合いの見舞い?
よく嘘つくやつだね
いい事発見した!
これから楽しみ」


何をしようとしてるのか
不安で仕方ない。


「余計な事したら許さないわよ」


「どうかな?萌香次第ってことで
じゃあ も・え・か・さ・ん」


葵くんは父の病室へと行ったようだ。


時間を開けて帰らないと
病室にいつまでいるかわからない。


私はナースステーションの横の
ロビーで腰掛けて時間が
過ぎるのを待った。








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