マジ恋相手は高校生


「小島さん!」
座ってる私に声を掛けたのは
もちろん葵くん。


「どうせここだろうと思ったよ」


読まれてる。。。


「お父さんの忘れ物を届けただけだから
お父さんがお待ちですよ」


父が待ってる?


「何か父に言った?
もしくは 何かやろうとしてる?」


「2番目が正解!
安心しろ!お父さんには
何もしないから」


「どうだか・・・」


私の言い草にカチンと来たようで
「オレに逆らうとわかんないけどねぇ」
とニヤッと笑う。


「どうしてそこまで関わるの?
もういいじゃん」


「会わなければ忘れてたけど
会ってしまったからね
復讐に火が付いちゃったってこと」


「どうして・・・
もう十分でしょ?」


「十分?何が?」


すると 葵くんのピッチが鳴った。


「はい!高橋です
あっ!すぐ伺います」


「じゃあな
あっ!今晩電話かけるから」


拒否してるから
かかんないけど。


「おう!そうだ
拒否設定解除しといたほうが
身の安全だと思うよ
じゃあな」


1枚も2枚も葵くんの方が
上手だ。


3年ぶりに
葵くんの番号を設定解除した。


するつもりはなかったけれど
もし父に何かを言ったら
大変なことになりそうだから
仕方なく解除したのだ。


電話が鳴るたびにドキッとするが
その夜は掛かってこなかった。


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