マジ恋相手は高校生


「先生にあたしのことを
何か言ってるの?」


恐る恐る父の返事を待つ。


「いや ご家族の方は?と聞かれたから
娘がいます!と答えただけだよ
すると娘さんにも説明しますと
言うからね」


「それだけ?
あたしのことを話したのはそれだけ?」


「そうだけど?どうして?」


「いや・・・別に」


「いやぁ〜27になる娘がいて
嫁にもいかずとは言えないだろ」


「どうもすみませんね」


「見合いでもしろよ」


「うるさいわね!
今度 友達の友人たちと合コンがあるの!
そこでいい人見つけるわ!」


「おう?そうなのか?
頑張れよ」


急にニコニコとなる父
単純な親。


私は店長さんに連絡して明日のお昼まで
父の病状の説明会と言うことで
半日お休みをいただくことにしたのだ。




病室で父と母と私
葵くんがくるのを待った。


予定時間より30分遅れてやってきた。


「すみません 前の方のリハが
長引いちゃって
お待たせしました」


超スマイル。


「いいんですよ
こっちは暇なんですから」
と父。


暇じゃないわ!半日休んだわ!
母もそう!1日休んだのに!


「あっ 娘さんですか?
はじめまして」


いきなり振る葵くん。


「あ・・・は・・・はじめ
はじめまして・・・?」


ヘンテコな返事にプッと笑う葵くん。


「萌香 何をオドオドしてんだよ
先生がイケメンすぎるから
緊張してるのか?」
容赦ない父。


「違いますっ!」


「もぉ 本当にうちの娘27なんですけどね
彼氏がいないんですよ
そろそろ嫁に行かないと
貰い手がなくなるからね」


「父さん!関係ない話しないでよ」


< 105 / 170 >

この作品をシェア

pagetop