マジ恋相手は高校生
病院に戻った私は父に
文句の言いたい放題。
締めくくりは
「個人情報言うのはやめてよ
どこで次に会うかわかんないから」と。
「悪かった」
「だいたいね
大学生が相手にするわけないでしょ
それこそ大学に行って笑い話のネタよ
患者の父親が行き遅れの娘を
推して来たって
恥ずかしいったら」
「わかったわかった
もう言わないから」
本当にわかったのかどうか
わからないが。。。
昼から仕事の私は母を置いて先に
病院を出る。
すると車椅子に乗ったおばあちゃんと
話す葵くんに遭遇。
「おばあちゃん何階まで帰るの?」
「3階だよ」
「押してあげるよ」
とすぐさま おばあちゃんの手助け。
「ありがとう
でも先生も忙しいんだから
これくらいは自分でできるよ
親切にありがとう」
たしかによく気がつくヤツだ。
子供にも声をかけてたし
きっと葵くんに似合う仕事だと思う。
しかもイケメンだし
・・・待て待て私!
キュンキュンしてる場合じゃないでしょ!
「あっ!小島さんの娘さん!
もうお帰りですか?」
声をかけられてしまった。
無視するのも周りが変に思うから
「はい」と答えた。
「お昼一緒にどうです?」
「えっ?」
「ここのレストランの
【全部乗せうどん】って言うのがあって
アゲに肉に天ぷら全部乗ってて
最高に美味しいんですよ」
周りを意識してか敬語で話す葵くん。
「急いでいるので
すみません」と私も丁寧に返した。