マジ恋相手は高校生
そんなオレの戦いの気持ちから
一転させたのは萌香のお父さんの言葉だった。
今日も小島さんのリハから
研修開始。
「どうです?少しは良くなりましたか?」
「おかげさまで
筋肉も衰えずに済んでますよ
ありがとう」
「来週から歩行の練習もありと
書いてましたね」
「整形の先生がそんなこと言ってたな」
「ご家族の方も
早い回復に喜んでいらっしゃるでしょ?」
「どうだかね」
「小島さんは2度目の事故ですか?」
「2度目?違うよ!初めてだよ
失礼だね!優良ドライバーなのに」
うん?2度目じゃない?
確か 萌香が突然消えたのは
ご両親が事故に遭われたと言ってたよな。
「失礼しました
あっ!一つお聞きして良いですか?」
「何だね?」
「娘さんが帰ってこられたとか
何とか言われてましたよね?
娘さんってどこか旅行に行かれてて
急遽帰ってこられたんですか?」
「あ・・・まぁ
あまり話ししたら娘が怒るんだよな」
「別に言わないですよ
小島さんと僕だけの内緒話と言うことで」
「実はね
娘 北海道に転勤になってね」
萌香の父からの言葉に
びっくりした。
転勤?おじいさんの会社
北海道に無いけど?
なんか変だな。
萌香がオレに楯突いたり
あの態度 変だよな。。。
「転勤ですか
最近ですか?」
「いや 3年前の寒い時期
うーん2月ごろだったかな?
突然次の日から飛び立つからと
言われてな
娘が昇進して関連会社に行くなら
めでたいことだからと
社長さんからの電話に承諾したんだよ
それから娘は北海道のホテルで
通訳として働いてたんだよ」
「通訳ですか?すごいですね」
「まぁ それだけお金をかけたけどね
実になって良かった」
本当に変な話
3年前?2月ごろ?
あの時だ!急に消えた時!
「良かったですね」
「君も両親がお金を
かけてくれてるんだから
しっかり学んで恩返ししなさいよ」
そんな萌香の父の言葉
心に入ってこない。
ただ何かある!そう思っていた。