マジ恋相手は高校生


「ごめん」
と何度も謝る葵くんに
「もう過ぎた過去だよ」といい
「父には絶対北海道へ行った経緯と
向こうでの生活は言わないでね」
と念を押した。


「色々あったね
葵くんとは約1ヶ月生活してて
初めは喧嘩ばかり
でも振り返ってみると
いっぱい思い出があるよ
それから北海道での生活
優しい仲間に出会えたし
また葵くんと会ってあの頃の
本当の真実も話せたし良かった
これから再出発!頑張れそう」


「その再出発にオレと一緒に
スタートして欲しい」


無理だよ
社長になに言われるか!
また権力使って遠くに飛ばされるか
わからない。


「ダメだよ!
あたし 昨日合コンでいい人と
出会っちゃったから」


そんなの大嘘
ちゃんと昨日の時点でお断りをした。


「いい人だったわけ?」


「うん!銀行員さんで
とても素敵な人だった
だから付き合うことにしたんだ」


それも大嘘。


「ふふっ」
葵くんがなぜか微笑んだ。


「何笑ってんのよ」


「嘘つき」


「え?」


「う・そ・つ・き!」
おでこを指で弾く。


「痛い!!!
嘘じゃないわよ」


「『あんな堅物!お断りよ!』」


葵くんが私の口調を真似ていう。


「え?」


「嫌な奴だったんだろ?」


「なぜそれを?
え???父さん?いや!
父さんには話してない」


母さんか!
帰ってすぐお母さんに言ったセリフだ!
それをお父さんにすぐに言ったな!
それで葵くんにも伝わった?


世の中怖すぎる!
伝わるの早すぎるよ!


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