マジ恋相手は高校生


『1週間考えてから返事して
それまで連絡は取らない
いい返事だけを待ってるから』
即答しない私に葵くんは期限を切った。


その葵くんから言われた期日がきた
私の気持ちはもう決まっている。


この会わなかった1週間
会いたくて・・・
声を聞きたくて・・・
その期間が余計に葵くんを
好きにした。


約束の日は土曜日
約束の時間は18時
約束の場所は駅前のカフェ。


昨夜 嫌な夢をみた
「まだ君は葵のそばを
チョロチョロしてるのか!
海外に飛ばさないとダメなのか?」
社長の鬼のような顔。


「バーカ!!!
お前なんか相手にするかよ!
ちょっと甘い顔を見せたら
図にのるって バカなやつだ」


葵くんのバカにした私を見る目つき
それで目が覚めた。


私のネックは社長
本当に海外に飛ばされたらどうしよう。


ううんその前に葵くんが
来なかったら。。。


色んな不安が脳裏を駆け巡る。


偶然仕事が休みだった私は
予定時刻より少しだけ早くカフェについた。


「ご注文は」
「連れが来ますのでその後に」
「承知いたしました」


18時を過ぎた。


10分 15分 20分と過ぎていく。


来ない。。。
やっぱりか。。。
騙されたのか。。。


年下の男に騙され
騙されてるのを知らず待ち続ける
年上の冴えないおばさん。


どこかでこの光景を見て葵くん
楽しんでいるのかもしれない。


だよねぇ・・・
私なんか相手にしなくても
葵くんはモテるだろうし
私は葵くんを信じるどころか
疑いの気持ちばかり強くなる。


30分が経過
「すみません アイスコーヒーひとつ」
店員さんを呼んで飲み物を注文した。


流石に30分
お水だけで居座って
帰るようなことはしたくない。


「お連れ様は?」


「遅れてるみたいで」と
嘘の説明するのが虚しい。





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