マジ恋相手は高校生


コーヒーを飲み
会計を済ませお店を出た。


『あはは あはは』
笑うしかない。


こんな日は誰か誘って
騒いで騒いで飲んで飲みまくっちゃえ!


連絡しようと携帯を出そうとした
・・・が
あれ?携帯がない
カバンやポケットを探すがどこにもない。


お店に忘れたか?
確認の電話しようにも
電話がない。


この世の中公衆電話なんて
そう置いてるわけでもないし
お店の番号さえわからない。


携帯の便利さを改めて気づかされた。


とりあえず お店に戻ることにした
お店で携帯を開いたのは確実だから
お店に忘れたのか
そこに無ければ 途中で落とした?
お店に有りますように!と
願って急ぐ。


「すみません
携帯の忘れ物無かったでしょうか?」
店員さんに尋ねた。


「あっ!先ほどのお客様ですね?
ございますよ
すぐにお客様の後を追ったのですが
間に合わなくてすみません」


反対に謝られ
「いえいえ 置き忘れた私が悪いんです
ここに有って良かったです」
と携帯を受け取りお店を出た。


その瞬間 走ってくる
葵くんの姿が見えた。


「萌香!!!」


私を見つけ
走る速度をあげた葵くん。


「遅れて・・・はあ・・・ごめ」
息が荒く言葉にならない様子。


「走ってきたの?」


「うん
こんなに走ったのは久々」


「来ないかと思ってた」


「来ないわけないじゃん!
ゼミか長引いちゃって
会うまでは連絡しないって約束してたし
その約束を破って連絡しようと思ったけど
携帯なくて」


葵くんは夕方大学のゼミに行くのに
自宅へ携帯を置きっぱなしで
出てしまったと言った。


「こんな時に限って駐車場のないお店を
指定したことを後悔したよ
近くのコインパーキングは満車だったし
マジで焦った」


「だから走ってきたのね」









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