マジ恋相手は高校生
「もぉー 急に止まんないでよ」
「うるさいなぁ 待てと言ったり
止まるなと言ったり
あまのじゃくか?」
「行き先はどこなのよ」
「その前に確認だけど
オレと付き合ってくれるんだろ?」
「改めて何よ!
さっきは返事もらったとか言ってたくせに」
「ちょっと不安になってきた」
少し真剣な顔を見せた。
「あたしはいい返事をするつもりで
今日は来たよ」
「いい返事って?」
「いい返事といえば分かるでしょ」
「わかんないなぁ〜
具体的に言ってもらわないとー
オレの解釈が違ってれば
違った方向に進んでしまうし」
意地悪げな顔に変化した葵くん。
「いい返事と言えばいい返事よ
そんなこともわからないの?
大学行ってまで何を勉強してんのよ」
「大学では恋愛の授業なんて
ありませーん
付け足すと義務教育でも学びませんが?」
「ふざけるな!」
「大学行ってまで何を勉強してるか?って
言うからだろ」
「それはすみませんね」
と 嫌味たらったらで謝る。
「今の世代は1から10まで
事細かく説明しないと
理解できないわけよ」
ああ言えばこう言う。。。
「葵くん
こんなあたしだけど宜しくね
好きだよ」
と言った後 照れ隠しに
「これでいい?」と付け足した。
「改めて言われると
キュンッてくるね!
だけど『これでいい?』は
無くない?」
「うるさい!黙れ!」
「ふふふ」
「何笑ってんのよ!」
「そんな照れ屋なところも含めて
オレも萌香のことが好きだよ」
額にキスを落とした。
「ち・ちょっとぉ」
人の行き交う歩道での一コマ
こんな光景を目撃したなら
「バカカップル」と貶すだろうが
当事者になれば その時は周りなんて
目に入っていないのが現実だった。
あとで振り返れば
恥ずかしいけれど。。。