マジ恋相手は高校生
「そこ!笑う?
必死なのに!」
「ごめんごめん」
葵くんは私の返事なんて
聞かず向かったのは
自分の家。
立派な実家があるのに
実家とそう離れて距離に
一人暮らししているとか
さすが、金持ちだな。
「一人暮らしする必要なくない?
実家が近いくせに」
「親がいるとさ
何かと不便でさ」
海外勤務の両親は帰ってきたそうだ。
「不便?1人の方が不便でしょ?」
「バカだなぁ
気軽に人を呼ばないだろ」
「別にいいじゃん
自分の家なんだし」
「ばーか!呼べない相手もいるだろ」
「呼べない相手?
まさか女?」
「正解!」と笑う葵くん。
離れていた3年間
恋愛はしていたとは思うけど
あからさまに言われると
ちょっと傷つく。
「帰る!」
靴を脱いで上がろうとしていたが
また靴を履いて玄関の扉を
開けようとした。
すると葵くんが
急に後ろから「ふふふっありがとう」
と抱きついた。
「何よ!やめてよ」
「萌香の気持ちがすごく伝わった
それだけで十分!
めっちゃ嬉しい」
ギュッと力を入れた。
「何で?何が?
あたし何も言ってないじゃん」
「幸せすぎて倒れそう
いや!ここで倒れたらダメだ
倒れたらバカなやつだ」
一人で言って一人で納得している。
「昨日まで色んな人が
ここに来たかもしれないけど
今日からはあたしだけにしてね」
「可愛い!可愛すぎる!
またギュッとしたくなるよ
ここで押し倒したらいけないから
とりあえず入って」
葵くんは靴を脱いで一段上がってる状態
私は玄関で靴を履いている状態。
私は「バカなことばかり
言わないで やっぱり
そう言うところ子供!」
笑いながら部屋へと入った。