マジ恋相手は高校生
一人暮らしは自分が望んだのではなくて
本当の理由は追い出されたと言う。
お兄さん夫婦が一緒に住むから
邪魔だと。
「お兄さんがいるんだ」
当時お兄さんは大学生で
地方に住んでいたそうで
私はてっきり一人っ子だと思っていた。
「うん こっちも兄嫁とかに
気を使いたくないから
ちょうどよかったけどね」
「萌香は?例のアパートに住んでるの?」
3年前のことか。。。火事被害にあった。
次の日から入れるという状態だったのに
急に北海道行きを言い渡され
勝手に引っ越しまで手配されていて
あのアパートには帰ることはなかった。
「あのまま帰ってない・ん・だ」
言いにくそうに言うあたしに
「あっ!ごめん
じいさんのせいなんだよね」
「こっちこそごめん」
私はこっちに帰ってきてからは
ずっと実家暮らし
稼ぎが少ないからね。
「さっき子供って言ったよね?」
いきなり話を変える葵くん。
「思い出したように言わないで」
「子供・・・
ガキはこんなことしないよな」
と急に襲いかかってきた。
「ちょっと 待とうよ
そんなに急がないでよ」
「一分一秒でも早く
萌香としたい」
「し・したいとか
そんな露骨に言うところ
やっぱり子供!」
「素直だと言ってくれ」
笑いながらそう言った。
「ねっ!その。。。
聞きたくないけど
やっぱり聞いておきたいんだけど」
葵くんが私に聞きたいことがあるって。
「うん?」
「3年前にあんなになってから
誰かと付き合った?」
「ごめん 付き合ったかな?
世間では付き合うというのかな?」
ずっと池田くんと一緒だった
友達以上恋人未満の関係。
「マジか。。。」
「でも 葵くんが考えてるようなことは
してないよ」
「うん?オレが考えてるようなことって?」
「わかってるくせに聞かないで!
腹立つ!」
「ごめんごめん
と言うことは誰もここに
触れてないってことだよね?」
と唇に指を刺した。