マジ恋相手は高校生
「アイツイケメンじゃないけど
男前な奴」
「男前?」
「末長くお幸せに!だって
相当ショックを受けたような顔してるくせに
相手の幸せを願うって男前!
オレだったら好きな奴はとことん
奪いたくなるし
例えば相手がいてもさ
引かないな」
「そうなの?」
「まぁ オレには勝てないと
思ったのかもな」
「何よ 自信たっぷりに」
「まぁーまぁー
せっかくの熱々の天ぷら
冷めちゃうから食べよー」
「あれ?テレてる?
自分で言っててテレるってウケる!」
「お前なぁ 後で覚えてろよ」
「はーい!覚えておきまーす」
「ムカつくお前」
なんだかんだと言いながら
料理を残す事なく食べた私たち。
最後お店を出るときも
池田くんが見送ってくれた。
「彼氏さんにお願いがあるんだけど」
「オレに?」
「はい」
「難しい事なら却下だけど?」
「萌香さんと握手していいですか?」
「は?」
「はい?」
私もびっくりした。
「最後に今までの感謝と
お別れの握手です」
「複雑だけど
どーぞ 5秒以内でね」
「すみません」
池田くんは私の手を取った。
「色々ありがとう」
「こちらこそ
池田くんと可奈ちゃんが居てくれたから
あたしはここで頑張れた
2人が居なかったらどうなってたか
わかんない」
「そんなことないよ
萌香さんなら大丈夫」
「いやいや」
「おい!5秒過ぎたぞ!離せ」
葵くんが2人の手を解いた。
「愛されてるね萌香さん
やっと萌香さんへの気持ちを卒業できるよ
じゃあね」
葵くんの言う通り
池田くん男前だ。
池田くんが去った後
「聞くんだけどこっちで
チューをした相手って今のやつ?」
と聞いてきた。
「・・・ノーコメント」
「あいつかぁ。。。」と
大きなため息をついた。