マジ恋相手は高校生
先に口を切ったのは
葵くん。
「今日は彼女を紹介しようと思って
みんなに時間を取ってもらうって
ありがとう」
話す葵くんの言葉に
ただ頷く私。
「小島萌香って言うんだ
出会ったのはもう3年以上も前の話で
話せば長くなるんだけど」
そこまで話した時
私は口を挟んだ。
「はじめまして小島萌香と申します
よろしくお願いします」
両親に兄夫婦4人人とも
「はじめまして」とか
「よく来たね 気を楽にして」とか
何も言わない。
私のことが気に入らないのかもしれない
これで歳なんか言うと
ますます嫌われちゃうかも
そっと目線を落とした。
いつもこんな感じなのかな?
みんなダンマリで。。。
そうか!だから居心地が悪いのか?
「これつまらない物ですけど
お口に合うかどうか」
好みはあるだろうが
一応老舗の苺大福を用意してきた。
それにも無反応の4人。
きっと私の存在が
気に入らないのかもしれない。
ますます私は下向きになる。
それを感じてたのか
葵くんが私の手を取り
「萌香立て!帰るぞ」と
先に立ち上がり私を立たせようとした。
「逃げたらダメだよ
ちゃんと認めてもらわないと」
と座らせる。
「これ以上萌香を苦しめたくないんだ
この状況は読めるよ?
何が気に入らないのか知らないけど
4人が4人揃ってこの態度はなくない?
オレは覚悟したよ
家族を失っても萌香だけは
失いたくないから」
涙が出そうなくらい葵くんの嬉しい言葉。