マジ恋相手は高校生
そこでやっとお兄さんが
言葉を発した。
「マセガキ!
マセガキだと思ってたけど
こいつがこんなことを言う
大人になったとはな ふふっ」
やっと笑った
笑ったお兄さんの顔は葵くんにそっくり。
「もう無理!!!
私女優じゃないんだしー」
と言う義姉さん。
「はぁ?」
よくよく聞いてみると
葵くんが初めて
彼女をみんなに紹介すると言うから
わざとみんなで知らん顔をしてやろう!
すると葵くんはどんな態度を取るか
試してみようよと
昨夜結託したとか。
もちろん提案したのはお兄さん
それに乗ったのは目の前の家族。
初めて紹介って。。。
今までは正式に
紹介したことがなかったらしい
そこも気になる
どんな人とあれから付き合ったのか
2人だとは言ってたけれど。
「ごめんなさいね
息子の悪さに乗っちゃって」
と優しい笑顔のお母さんに
「いえ」
と頭を下げる私。
「マジでやめて!
萌香は傷ついてるんだ
だから優しく迎えて欲しかったのに」
「傷ついてるって?」
「葵くん その話はいいから」
私は途中で止めた。
聞かせなくても済む話なら
もうそれでいい。
「何事なの?」
「じいさんがオレたちを
3年前に無理やり切り裂いたんだ」
「え?3年前と言うと
葵が高校生の時?」
「え?」
「え??その頃からってことは?」
そうよね
高校生相手に手を出した年上の私
みんなそう思ってるよね。
「もしかしてここに一時期
住んでたのはあなた?」
「はい その節はありがとうございました
お礼も言わずに申し訳ありません」
「あっそう
それで?葵と?」
「すみません」
「あなただったのね
え?と言うことは
え?」
「母さんは何か知ってるの?」
葵くんが驚く母親に尋ねた。