マジ恋相手は高校生
「あっそう」と言いながら
リビングに戻った女の子は
ジュースを溢したようで
「おばさーん!雑巾!
雑巾持ってきてぇ」
とこっちに向かって大声で呼んだ。
そんな言葉なんて無視
誰かが取りに来ればいいじゃん。
「おばさん!耳が聞こえないの!」
聞こえてますけど?
「おばさん家政婦なんでしょ?
拭きに来るぐらいしてよ」
「あたしは家政婦じゃありません!」
「え?この人家政婦じゃないの?
家政婦が居るって言ったんじゃん」
なるほど!
家政婦だと伝えてるのか。
「溢したのなら自分で
なんとかするべきでしょ?」
「ひぇー可愛くなーい
やっぱおばさんだねぇ」
私はわざと洗った包丁とまな板を
バンっと音を立てて置いた。
そこへ、葵くんがやなん
「この前もジュースこぼされて
今日もこぼされて最悪
床が可哀想」と雑巾を取りに来た。
この前って言うのは
私のことだ。
「あたしも最悪
なんであんな子たちに・・・」
愚痴っぽくなってしまうから
そこでやめてた。
「ごめん」
素直にごめんと言われて
調子が狂う。
「別に葵くんが謝ることないけど
感じ悪いよあの子たち
バカにするのもほどほどにしろ!
って言ってやりたいわ
言いたい放題言わせて
止めないあんたらもあんたらだけどね」
と嫌味をたっぷり言って
私は準備のため部屋へと移動した。