マジ恋相手は高校生
萌花が説明するのは
ファクスを送る直前に
コーヒーを飲んでて 手を滑らせて
発注書にかかってしまったと。
ファクスしようと思っててぇ〜
でもぉ〜喉が乾いててぇ〜
先に飲んじゃおうと思ってぇ〜
そしたらぁ〜
と いちいち語尾を伸ばし
身振り手振りで話す格好も
また私の怒りを増してしまう。
「それで?」冷めた感じで返す私。
「何を書いてたかわかんないくらい
コーヒー色に染まっちゃって」
「だから?」
「桜さんに注文だから
介護ベッドだったなぁと思ってぇ」
と平気な顔をしていう。
「何故 桜で介護ベッド?
意味わかんないじゃないの!」
萌花の実家の近くに桜という
特別老人施設があるらしく
同じ【桜】だから
うっかり勘違いしたとか。
ちょうどその日に
大迫病院から介護ベッドの依頼が
入った。
焦った萌花は一瞬どうしよう?と
頭が真っ白になって
大迫病院と桜ホテル
桜特別老人施設など
わけがわからなくなったらしい。
「もぉ!!!なんでその時に
あたしでも かほりさんにでも
相談しないのよ!」
「だって・・・
言えないじゃないですか
言ったら今みたいにすぐに怒るし
だから自分で何とかしなきゃって」
あたしのせいか???
相談できない環境にしてるってこと?
萌花に言われてショックを受けた
自分が新人の時は
かほりさんがとても親切だった。
かほりさんだって言いたいことは
あったはずなのに嫌な顔しなかった。
私の態度もいけなかったのかな。。。
「ごめん
理由がわかったから」
私は萌花の席から離れ
自分の席に戻り シャンデリアの
発注や断りの電話をした。