マジ恋相手は高校生


「自分でできるから」


「いいからいいから
遠慮しないで はい!脱いで」


Tシャツを胸のあたりまでまくる葵くん。


「ちょっとぉ!何してんの!」
あげられてたTシャツを元にもどした。


「別に恥ずかしがらなくても
もう知ってるし」


「そういう問題じゃなくて
自分でするから 先に台所行ってて」


「3分!3分過ぎたら
お仕置きに来るから」


スエットに着替えるだけだから
3分も必要なかった。


台所へ行ってみると
オムライスが作ってあった。


「すごっ!!!」


「すごくないよ
真空パックのご飯をケチャップで炒めて
卵を巻いただけ
中身の具は何もなし」
と 笑いながら説明。


そして上は ケチャップで
何か書こうとして途中辞めしたのか
たっぷりとケチャップがかけられてある。


「これは?」


「萌香の萌ってローマ字で書いてたら
失敗したからさ
そこは見るなよ
味で勝負だから」


「味ね」と 上から目線。


だけど すごく美味しかった
食欲なかったのに
本当に美味しかった。


「葵くん・・・ありがと」


「元気になった?」


「あたし?いつも元気だよ」


「嘘ばっかり
今日はいつもの勢いないし」


「葵くん観察力あるね
実はね 今日ね」


萌花に言われたことを話した
自分が新人の頃かほりさんや
退職した河本さんは親切だった
私もそんな先輩で居ないといけないのに
ついムキになっちゃって
頭ごなしにガミガミと怒ってしまうと。




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