マジ恋相手は高校生
「今日休みだから
晩御飯何か作るね」
「チキンカツがいいな」
「いいよ!」
「オレバイトだから
6時ごろには帰ると思うから」
葵くんは土日だけ
アルバイトをしている。
来週の日曜には
ここを出る。
だから平日は手の込んだものは
できないけれど
今日や明日 そして来週の土日には
何か作ってあげたいと思っている。
あわよくば
このまま付き合えたらと
思っているがそれは叶わぬこと。
高校生だもの
会社の社長の孫だもの。
「萌香萌香」
出かけに名前を呼ばれた。
「うん?何?」
「来て来て」
手招きされたので近づくと
唇を尖らせている。
「何?」
判ってるけどわからないふり。
「行ってらっしゃいのチュッ」
「バカなこと言ってないで
さっさと行ってらっしゃい
気をつけてね」
手を振る私を引き寄せ
「自分もしたいくせに」
と ニャッとして唇を奪った。
葵くんは恋人ごっこを
楽しんでるようだけれど
こんなことしてたら私
離れられなくなるよ。