マジ恋相手は高校生


強気の態度の私に
「あっ!証拠があるから
聞く?」
と携帯を取り出した。


証拠???と思っていると
女の子は再生を始めた。


ーーーあはは 確かに!!!
ブスは3日で見慣れるって言うよねーーー


バカ笑いしながら話しているようだ
確かに葵くんの声。


「好きになったりして」


ーーー好きになる?このオレが?
それはないだろーーー


「お前の中途半端な態度が
相手に期待させてんじゃないの?
『うん?私のこと好き?』って
あいつ自惚れてんじゃないの?」


ーーーそうかな?
オレがいけないのか?ーー


「そろそろパシッ!って
言った方がいいぞ
『自惚れてんじゃねーよ
お前のこと好きなわけねーだろって」



ーーー確かにな
ブスなくせに勘違いって
最悪だよな
しかもブスは
連れて歩くの恥ずかしいよな
オレは基本 いい女しか
受け付けねーからさ
あははーーー


「これさ
おばさんの話してるんだよ
わかる?」


名前すら出してないけど
たぶん私のことかもしれない。


「わかった?
葵くん ずっと我慢してるんだよ
早く出て行ってあげてよ」


「我慢してたとしても
あなたたちに言われることは
ないと思うけど?」


強気の私の態度に切れてしまったのか
「ムカつく!!!
あんたの会社に電話して
葵くんのおじいちゃんに
おばさんが誘惑して困ってるらしい
と言ってやる!」と言い出した。


葵くんを溺愛している社長は
きっとこの子達の言うことを
信じるだろう。


今頃の子供とは違う奥手な子だと
思い込んでいるから
そして私はクビを言い渡されるだろう。


いまさら職を失ってどうする?
ここは出ていくしかない
私にはそれしか選択肢がない。


早かれ遅かれ
出て行くんだから
それが1週間早くなるだけ。



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