マジ恋相手は高校生



「出て行くの?
それとも居座るの?」


年下の生意気な女の子に
ここまで迫られるとは。。。


「出て行くよ」


「そう?じゃあ
今すぐ出て行って!」


仕方なく私は出ることを決意
すぐに荷物をキャリーケースに詰めた。


高校生男子の気まぐれ
それに流され
恋愛感情を持った年上のバカ女
恋愛小説なら最高のシナリオ。


何度も何度も
お互い気持ちが通じ合ってるのかと
思うくらい演じてた葵くん
完璧私はあなたに騙されました。


行き場を無くした私は
大家さんの所を訪ねた。


アパートはまだ足場板が組んであるが
階段周りはもう完成しているように
見えた。


「来週の土曜日まで
入居は無理なんですか?」


「思ったより作業が進んで
月曜日に囲んであるものを取れば
いつでも入れるよ
本当に迷惑かけたね」


と言うことは火曜日には
元の生活に戻れる!
もう少しの辛抱だと思っていた。


土曜の夜はネットカフェで過ごし
日曜はもともと
友人との約束があったので
キャリーをコインロッカーに預けて
約束の場所へ向かおうとしたその時
一本の電話が掛かってきた。


社長からだ。


話があるから 夕方6時に
日本料理店『秀』に来るようにと。


何だろうか?少し不安になったが
考えても答えは見つからない。


友人との約束を早めに切り上げ
『秀』に向かったのだった。




< 64 / 170 >

この作品をシェア

pagetop