マジ恋相手は高校生


まだ社長は来てないようだ
通された個室で待つこと15分
社長はやってきた。


「待たせたね」


「いえ 私も先ほど到着したばかりで」


社長はメニュー表を見て
和定食を2つ注文して席に着いた。


「君はあの家を出たんだってな」
おしぼりで手を拭きながら私に尋ねた。


葵くんから連絡が来たのだろう。


「この度は本当にお世話になりました
何もお礼もせず申し訳ございません」


「お礼なんか して貰うつもりはない」
社長の顔つきが鋭くなった。


「君には本当にガッカリだよ
人の親切を仇にするなんてな」


社長の言っている意味がわからない私は
「あの。。。
社長がおっしゃっていることが。。。」
と言っていると


「葵を酷い目にあわせてくれたな!」
と返された。


「私は何も」


「何も?何もないと言うのか!!!」


社長が怒り始めた。


「はい・・・」


「よく言うよ!
葵に手を出しておいて」


「え。。。」


「嫌がる葵を無理矢理押さえつけて」
社長はそう言うと目頭を押さえた。


「信じてたのに裏切ったな君は!
葵は地獄の日々だったと・・・
葵の心境を考えると・・・」
今にも泣きそうな社長。


「待ってください
どーしてそんなことを?
葵くんが社長に?」


「葵に口止めでもしてたのか?
脅してたのか?」


話が大きすぎて
何が何だかわからない。


「口止めとか そんなことないです
それよりなぜ社長が?」


不思議でならない。


黙って出て行った私に怒った葵くんが
社長に言ったのか?


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