マジ恋相手は高校生


「社長がお待ちです
一緒に参りましょう」
私は社長室へ通された。


「小島様をお連れいたしました」


「どうぞ 
上園さんはもういいから
下がっていいよ」


私をここまで案内してくれたのは
上園さんと言う女性。


小柄でスタイルが良く
スーツにハイヒールで歩く姿は
モデルさんのようにかっこいい。



「承知いたしました
失礼いたします」


上園さんが出た後すぐに
「君かね?」と尋ねられた。


君かね?という意味ありげな言葉。


君かね?
高校生を弄んだのは・・・
そうともとれる発言。


「小島萌香と申します」
君かね?の問いには答えず自己紹介。


「話は遠藤社長から聞いてるよ」


「そうですか」


どんな風に説明しているのかは
聞く勇気がない。


「まぁ 第二の人生を歩むのは
遠く離れた場所の方が
心が落ち着くだろう
ここで頑張りなさい」


「あ。。。はい。。。」


「くれぐれも言っとくが
ここの社員には手を出さないように」


社長の言葉が理解できず思わず
「はい?」と聞き直した。


「君は向こうで妻子ある男性と
不倫関係になって 大変だったと
聞いている 違うのか?」


なるほど。。。
葵くんとのことは
正直に伝えてないんだ
どこまでいっても可愛い孫
孫を守る為の嘘・・・か。


「・・・・・」


答えようがない。


「だからここでの
君の仕事はこれに着替えてもらって」
と差し出されたのは
青い作業服。


「清掃員・・・ですか」


「何だね?不満なのか?」


「いえ」


一流とは言えないが
大手の会社で事務を担当していた私
その職を奪われ 与えられたのは
清掃員。


ホテルと聞いていたから
どんなことをするのかと
思っていたら清掃員だとは。







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