マジ恋相手は高校生


「いらっしゃいませ」


1組の家族連れがやってきた
1歳くらいの女の子を連れた家族。


「これ!可愛くない?」
「そーだなぁ ももに似合いそう」
「買っていい?」


微笑ましい光景。


そこは近寄る私
「それ 人気商品なんです
色違いもございますので
いつでもお声がけくださいね」
と一言言って去る。


あまりウロチョロ付きまとうのは
好きじゃない。


洋服買いに行って
定員さんが付きまとうお店が多いが
私はそれが嫌い。


このベビーショップは
そういう気持ちも考慮してて
押し売りはしないから働きやすい。


「あれ?」
奥さんに覗き込まれた。


え?私何かしたかな?


「あれ???萌香?
小島萌香?」


私の名前を呼ぶ奥さん
しかもフルネーム。


マジマジと奥さんの顔を見た。


「あっ!!!河本さん!」


「やっぱり?萌香!
変わんないねぇ」


「そーですか?」


「あんた!
私がわからなかったって事は
私が変わったって事?
老けたかしら?」


「違いますよぉ〜
河本さんはいつもお綺麗ですっ!」


「さすが!アパレルの仕事
上手だわ」


「違いますってぇ
まさか 知ってる人に
ここで会うとは思わなかったから」



「ここで働いてたのね?」


「最近ここで勤め始めたばかりで
実家がこの近くなんですよ」


「突然辞めたからってかほりとか
びっくりしてたわよ
ご両親大丈夫なの?」


「・・・入院してて・・・」


「え?3年間ずっと?」


「あ。。。」


そっか 両親が事故で
会社を辞めた設定だった。


今回は本当だが前は嘘の話。


「あれから大丈夫だったんですが
また事故しちゃって・・・父が」


「そーなの?大変ね」


「ですね」


私は話を変えようと
「可愛いお子さんですね」と
女の子に振った。





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