海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!
「さて、ここからが本題なのですが」
続くマーリンの前置きに、緩慢に目線を向ける。
ここからが本題と言われても、ニコニコのエレンをこの目に映す機会を奪われた衝撃はあまりに大きく、とてもではないが腰を入れて話ができる気がしなかった。
なにせ俺の心はすでに灰になってしまったからな。
とはいえ、話があると言うのだから仕方ない。
「なんだ?」
ものすごく億劫だが、一応聞くだけ聞いてやった。すると、俺をジーっと見つめていたマーリンが突然、特大のため息をついた。
「……やはり結構です。海上にあっては、伝えたところでなにが変わるというわけでもありませんから。ただし、前述の俺の言葉はくれぐれも念頭に置いておいてください。万が一、我が海軍からエレンへの狼藉者など出たとなれば、後々どんな報復を受けることになるか……。事はバーミンガー王国海軍の存続いかんに係わります」
なんだ? マーリンの念押しに首をひねる。
俺がエレンへの狼藉など許すはずもないが、それにしたってマーリンはずいぶんと大仰な物言いをする。
「それにどうやら、あちらもタイムアップのようです。飴玉を舐め終えて、エレンがそわそわし始めています」
続くマーリンの前置きに、緩慢に目線を向ける。
ここからが本題と言われても、ニコニコのエレンをこの目に映す機会を奪われた衝撃はあまりに大きく、とてもではないが腰を入れて話ができる気がしなかった。
なにせ俺の心はすでに灰になってしまったからな。
とはいえ、話があると言うのだから仕方ない。
「なんだ?」
ものすごく億劫だが、一応聞くだけ聞いてやった。すると、俺をジーっと見つめていたマーリンが突然、特大のため息をついた。
「……やはり結構です。海上にあっては、伝えたところでなにが変わるというわけでもありませんから。ただし、前述の俺の言葉はくれぐれも念頭に置いておいてください。万が一、我が海軍からエレンへの狼藉者など出たとなれば、後々どんな報復を受けることになるか……。事はバーミンガー王国海軍の存続いかんに係わります」
なんだ? マーリンの念押しに首をひねる。
俺がエレンへの狼藉など許すはずもないが、それにしたってマーリンはずいぶんと大仰な物言いをする。
「それにどうやら、あちらもタイムアップのようです。飴玉を舐め終えて、エレンがそわそわし始めています」