海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!
「わかった。アーサーさん、俺はどうしたらいい? どうするのが一番、皆の足手まといにならない?」
 私の言葉にアーサーさんが目を見張る。
「エレン、この船とエレンのことは絶対に俺が守る。だからどうか、俺を信じてほしい」
「うん! もちろんアーサーさんのこと、信じてるよ!」
 アーサーさんが目を細くして、私を見ていた。
 そうしてアーサーさんはなにかを振りきるみたいに、私の頭をワシャワシャとなでて立ち上がる。
「エレン、万が一接近戦となっても、この船が占拠されることは絶対にあり得ない。だからこれは一応の措置だ。窮屈にさせてしまうが、そう長くは待たせない。少しの間、ここに身を隠していてくれ」
 アーサーさんが私をヒョイと抱き上げて押し入れたのは衣装櫃。およそ八十センチ四方のそれは、小柄な私が膝を折れば、十分に身を隠すことができた。
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