海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!
もんもんの共寝
――コンコン。
「エレン、待たせたな。起き上がって食えそうか?」
ほくほく顔のアーサーさんが、手ずから夕食のトレーを手に部屋に戻った。
「……ん? あ、アーサーさん」
夢現を微睡んでいた私は、一瞬反応が遅れた。
「うん? まだ起き上がるのがつらいようなら、寝台で食えるようにするぞ」
「大丈夫! 起きて食えるよ!」
駄目だ! わずかにでも私の反応が遅れれば、アーサーさんが過剰に気を回す!
私は弾かれたように、ピョンッと起き上った。
ってーか、なんって人がいいんだよ! 船長ってのは、皆こういうもんなのか!?
うちの父ちゃんも相当に甲斐甲斐しかったけど、アーサーさんだって一歩も負けてない。
「そうか。ならば温かいうちに食ってくれ」