海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!


 翌朝、アーサーさんの目は赤く充血し、くっきりと隈が浮かんでいた。
「アーサーさん、寝れなかったのか? ごめん、もしかして俺、寝相が悪かったか?」
「……いいや。俺はきちんと熟睡している。気のせいだ」
「ふうん?」
 ヘンなの。
「あ! それじゃあ俺、甲板掃除に行ってくるから」
 壁掛け時計を目にした私はアーサーさんを残し、足早に部屋を後にした。
「おいエレン、清掃開始にはまだ早いぞ!?」
「新入りがのんびりなんてしてらんないよ! いってきます!」
 昨日の今日で、再び当番をサボるわけにはいかない! というよりも、一番乗りでもなんでもして昨日の名誉挽回に励まなくっちゃ!



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