海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!
しかしふらふらになりながらも己の仕事をやりきろうとするエレンの姿は凛として美しく、その芯の強さに見惚れた。
同時に、いまだ蕾のエレンはこの後、どれほど美しく花開くのかと想像すれば生唾をのみ込んだ。
狂おしいほどに、エレンが俺を魅了する。エレンに囚われた俺はもう、エレン以外を望めない。
……俺の中で予感がした。
いつかきっと、俺はエレンの足元にひれ伏して、愛を乞う日がくるのだろう。
ぞわぞわとした歓喜が、体の内から湧き上がる。
とびきり可愛くて、まばゆいばかりに美しい、俺のエレン。
時が満たせばその時は、俺は喜んでエレンの足元にひれ伏して愛を乞う!
けれど今はまだ、時期尚早。そうして今のエレンに必要なのは、適正な手当て!
俺は船内に取って返すと、大急ぎで手当てに必要な一式を船長室にそろえ、再び上甲板に駆け戻った。