海軍提督閣下は男装令嬢にメロメロです!
「ははっ、そうか。それが普通か。だけど俺、もともと腹の探り合いとか小難しいのは得意じゃないんだ。あ、ちなみに俺も、お前じゃなくてエレンな」
「やっぱりヘンな奴だ。俺はさ、ほんと言うと今日の件を、謝りたくてきた。もっと言うと、甲板を雑巾で磨ききった根性も認めざるを得ない」
「なんだよ、やっぱり謝りたくてきたんじゃないか!」
素直じゃないないトレッドの態度に、私は思わず相好を崩した。
けれど笑顔の私とは対照的に、トレッドの表情は硬いままだ。
「勘違いするな。俺の謝罪はあくまでブラシを渡さなかったという一点に関してだし、認めたのも根性だけだ。エレンが船長付きの小姓に抜擢されたのは、実力に対して不相応だと思ってる」
最後の言葉はよく、わからなかった。
「ええっと? 船長付きの……コショーって、なんだ??」
「とぼけるな! お前が船長に直談判したんだろう!? 小姓という地位にあぐらをかいて、船長の寝台まで悠々と占拠して、いったいどんな神経してるんだよ。……あるいは考えたくもないけどお前、まさか船長と……!?」
「やっぱりヘンな奴だ。俺はさ、ほんと言うと今日の件を、謝りたくてきた。もっと言うと、甲板を雑巾で磨ききった根性も認めざるを得ない」
「なんだよ、やっぱり謝りたくてきたんじゃないか!」
素直じゃないないトレッドの態度に、私は思わず相好を崩した。
けれど笑顔の私とは対照的に、トレッドの表情は硬いままだ。
「勘違いするな。俺の謝罪はあくまでブラシを渡さなかったという一点に関してだし、認めたのも根性だけだ。エレンが船長付きの小姓に抜擢されたのは、実力に対して不相応だと思ってる」
最後の言葉はよく、わからなかった。
「ええっと? 船長付きの……コショーって、なんだ??」
「とぼけるな! お前が船長に直談判したんだろう!? 小姓という地位にあぐらをかいて、船長の寝台まで悠々と占拠して、いったいどんな神経してるんだよ。……あるいは考えたくもないけどお前、まさか船長と……!?」