愛したい、愛されたい ─心を満たしてくれた君へ─
それからしばらくして英梨さんは昼食の準備を始めた。
俺と吉野が勉強していると、英梨さんは俺のそばに来て肩を叩く。
「潤くん、勉強中に申し訳ないんだけど……脚立か踏み台があったら貸してもらえる?」
「そんなものどうするの?」
「棚の上の方にあるお皿を取りたいんだけど、手が届かなくて……」
「ああ……いいよ、俺が取るから」
立ち上がって英梨さんと一緒にキッチンへ行き、どの皿かと尋ねると、英梨さんは棚の一番上の段に置いてある皿を指さした。
英梨さんの背後から手を伸ばしたとき、ほのかにいい香りがした。
それは吉野や他の同級生の女子がよくつけている、むせかえるような甘い香りではなく、柑橘系のような爽やかで心地よいものだった。
甘い香りで女であることをあからさまにアピールしないところが、大人の女性という感じがする。
そんなことを思いながらその皿を取って渡すと、英梨さんは「ありがとう」と言って笑った。
「もうすぐ用意できるから、きりのいいところで勉強切り上げてね」
「わかった、ありがとう」
俺と吉野が勉強していると、英梨さんは俺のそばに来て肩を叩く。
「潤くん、勉強中に申し訳ないんだけど……脚立か踏み台があったら貸してもらえる?」
「そんなものどうするの?」
「棚の上の方にあるお皿を取りたいんだけど、手が届かなくて……」
「ああ……いいよ、俺が取るから」
立ち上がって英梨さんと一緒にキッチンへ行き、どの皿かと尋ねると、英梨さんは棚の一番上の段に置いてある皿を指さした。
英梨さんの背後から手を伸ばしたとき、ほのかにいい香りがした。
それは吉野や他の同級生の女子がよくつけている、むせかえるような甘い香りではなく、柑橘系のような爽やかで心地よいものだった。
甘い香りで女であることをあからさまにアピールしないところが、大人の女性という感じがする。
そんなことを思いながらその皿を取って渡すと、英梨さんは「ありがとう」と言って笑った。
「もうすぐ用意できるから、きりのいいところで勉強切り上げてね」
「わかった、ありがとう」