愛したい、愛されたい ─心を満たしてくれた君へ─
「そんなに俺のことが好き?」

「大好き……。大好きだから……潤くんが欲しいの。お願い、もっとして」

「いいよ、いくらでもしてあげる」

たとえこれが罪だとしてもかまわない。

こんなに好きだと言ってくれるなら、力が尽き果てるまででも、この体で英梨さんを悦ばせてあげたい。

体を繋げることで、英梨さんは前よりもずっと俺を好きになってくれた気がしたし、このまま俺から離れられなくなるほど、もっともっと俺を好きになればいいとさえ思った。


何度も抱き合ったあと、俺に腕枕をされた英梨さんは、俺の胸に唇を押し当てて強く吸った。

唇を離すとそこには赤い痕が残っていた。

これがキスマークというやつか。

つけられたのはもちろん、肉眼で見るのも初めてだ。

いつもはこんなことしないのに、どういう風の吹き回しなんだろう?

「何これ、マーキング的な?」

「そういうんじゃなくて……これがある間は私のこと忘れないでしょ?」

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