愛したい、愛されたい ─心を満たしてくれた君へ─
あきらめの悪い臆病な男の本気の恋
それからの俺は志織に恋い焦がれながらも告白する勇気はなく、何年もの間長い片想いをしていた。

笑って他愛ない会話をして、ふざけながらできるだけ自然にスキンシップを取り、少しでもいいところを見せたくて人一倍仕事を頑張った。

志織に好かれたいという気持ちはこれまでの愛されたい欲求とはまったく異なり、俺自身が志織を好きだから志織からも好かれたいという単純なものだった。

志織をもっと知りたい。

もっと俺を知って欲しい。

志織に触れたい。

思いきり抱きしめたい。

そして誰よりも志織を愛したいし、俺だけを愛して欲しい。

そんな気持ちを募らせながら、何も言えないまま3年以上の月日が流れた。

志織が異動になったのを機に思いきって告白しようと食事に誘った。

俺が好きだと言ったらどんな反応をするのか、もしかしたらあっさり断られるのかもと思ってなかなか本題を切り出せずにいると、志織の方から「歳下の彼氏ができた」と嬉しそうに報告され、想いを告げる前に玉砕してしまった。

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