愛したい、愛されたい ─心を満たしてくれた君へ─
……もしかして怒ったかな?

昔の話とは言え、他の女性と関係を持っていた頃の話をしたのだから無理もない。

逆の立場だったとしたら、俺はきっと嫉妬でおかしくなってしまうだろう。

俺は悪いことしたなと思いながら立ち上がり、キッチンへ行って志織を背後から抱きしめる。

「ごめん、いやな話聞かせて……」

「ううん、潤さんが自分のこと話してくれたのは嬉しいし……それにもう昔の話だもんね。今は私のことだけ愛してくれてたら、それでいいの」

志織はいつも、どんなに情けない俺もまるごと受け止めて包んでくれる。

俺は志織のそういうところがとても好きだ。

「もちろん今だけじゃなくて、一生志織だけ愛し続けるよ」

そう言って頬に口付けると、食器を洗い終わった志織は濡れた手をタオルで拭いて振り返り、俺に抱きついた。

「それじゃあもっとギュッとして」

「ギュッとするだけでいいの?」

「キスもいっぱいしてくれる?」

「もちろん」

優しく抱きしめ合って何度もキスをした。

目を閉じて俺の肩に体の重みを預ける志織が可愛くて愛しくて、志織のすべてをもっともっと愛したくて、心も体も熱くなる。

耳元や首筋に唇を這わせると、志織はくすぐったそうに肩をすくめた。

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