ファーストキス泥棒
「おい!お前、二年生だろ?先輩の言うことを尊重しろよ!」

「嫌です!!一年生にも舞台を使わせてあげてください!!」

「俺らに従わないと、お前のその顔がパンパンになっちまうぞ!!それでもいいのか?」

三年生たちは華を取り囲み、脅す。しかし華は怯えたりせず、相手の顔を見続けた。

「私は脅しに屈したりしません!一年生に舞台をーーー」

「うるせえんだよ!!」

三年生の一人が言葉を遮り、華に摑みかかる。華はその手を掴み、自分より体の大きな三年生を意図も簡単に一回転させ、床に叩きつけた。

一年生から歓声が上がり、三年生は唖然とする。

「み、みんなやっちまえ!!」

三年生が一斉に華に飛びかかった。

華は一人ずつ丁寧に相手をしていく。腕を振りほどき、投げ倒し、強烈な蹴りを食らわせる。

一年生は華が三年生を倒していく光景をアクション映画を見ているような目で見ていたが、そのうちの一人が声を上げる。

「危ない!後ろ!」

その声に華は後ろから感じる殺気を感じた。振り返る間も無く、何かが振り下ろされる音が耳に入る。

華が目を閉じた刹那、三年生の悲鳴が耳に届いた。
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