ファーストキス泥棒
カラン、と何かが転がっていく音がする。
華が目を開けると、大和が呆れた表情で立っていた。その足元には気を失った三年生と、どこにあったのか鉄の棒が転がっている。
「きゃあああ!大和先輩〜!!」
女子たちが黄色い悲鳴を上げる。大和は女子たちに手を振り返した。
「華、怪我はしてない?間に合ってよかったよ」
助けてくれた、そのことが華の心にある感情を作る。胸が温かくなる。今まで大和を見ていると心にあった冷たさが、華の中で少し薄れた気がした。
「助けてくれたことは……ありがと」
華は俯きながら、大和に背を向けて歩き出した。
色々なトラブルがあったが、文化祭は無事に始まった。
今年の文化祭では、後夜祭としてダンスパーティーが行われる。ダンスパーティーといっても、おとぎ話で王子様とお姫様が踊るようなワルツなどではなく、好きなように自由に音楽に合わせて踊るというものだ。
華は生徒会の仕事をしつつ、クラスの出し物であるおばけ屋敷を手伝っていた。幽霊の格好をして、おばけ役として手伝うのだ。
華が目を開けると、大和が呆れた表情で立っていた。その足元には気を失った三年生と、どこにあったのか鉄の棒が転がっている。
「きゃあああ!大和先輩〜!!」
女子たちが黄色い悲鳴を上げる。大和は女子たちに手を振り返した。
「華、怪我はしてない?間に合ってよかったよ」
助けてくれた、そのことが華の心にある感情を作る。胸が温かくなる。今まで大和を見ていると心にあった冷たさが、華の中で少し薄れた気がした。
「助けてくれたことは……ありがと」
華は俯きながら、大和に背を向けて歩き出した。
色々なトラブルがあったが、文化祭は無事に始まった。
今年の文化祭では、後夜祭としてダンスパーティーが行われる。ダンスパーティーといっても、おとぎ話で王子様とお姫様が踊るようなワルツなどではなく、好きなように自由に音楽に合わせて踊るというものだ。
華は生徒会の仕事をしつつ、クラスの出し物であるおばけ屋敷を手伝っていた。幽霊の格好をして、おばけ役として手伝うのだ。