恋のキューピード
ボロアパートの階段をカツカツと音をたてて歩き駅に向かった。
出勤ラッシュの時間帯だけあって、駅に向かう人が多く満員電車に乗り込んだ。
毎日、同じように満員電車に揺られて数分たった頃には、会社の駅に着いて降りた。
「あ、」
ため息を漏らして改札口に定期をかざして降りた。
「青井さん、おはようございます」
人懐こい笑みを浮かべて波城君は、莉緒に若さが全面に出た声で挨拶をする。
「あ、おはよう」
素っ気なく莉緒は、言ってのに
「ここで、青井さんと逢ったんですから一緒に行きませか?
ダメですよね」
悲しそうな声で波城君は、言うが
「そうね。
じゃあ」
小走りで波城君と離れようとした。
「そうですか」