恋のキューピード


子犬みたいについてくる波城君が何故、おばさんについてくるのか。

知らない、知りたいとも思わない。

会社から数分ぐらいの駅に着いて、改札機を通したら

もたもたして、切符を買い出してる波城君。


見て見ないフリをして、ホームに向かって歩きだしてると


バタバタっとスーツ姿で子犬が親に見捨てられた上目遣いで莉緒を見つめる。


「あ、置いて行かれると思って焦っちゃいました」


歩み寄って、波城君は、言ってるが置いて行こうと思ったんですけど。


「今日は、有難う。
此処から先は、ついてこないで。
1人になりたいの。
お疲れ」


ワイン色の電車がホームに着いてたらしい。


波城君は、

『ええ』『嘘』って表情をしてるがついてきたい気持ちを押さえてるように感じる。

何か言いたそうだが言えぬ雰囲気を出したから波城君は、黙り込んだ。



莉緒は、電車に乗り込んで波城君を見ないで奥に入って波城君は、ホームにぽつんといてる。




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