【短編】小悪魔な年下に翻弄されてます…
でも、今にも
泣き出しそうな彼を見ると、
不思議と仕方ないなと
思ってしまう。
「分かった。たまには来る。」
気付いたらそう答えていた。
…甘くなったな、私も。
「本当に!?やった。」
"うさぎ"に早変わりした"5歳児"は
そう言うと、
躊躇いなく抱きついて来た。
…ドクドク。ドクドク。
鼓動が速いのは
……私?ユキくん?
無意識に耳を
彼の胸に押し当てる。
「モモ先輩……僕…」
ぎゅっと彼の腕に
チカラがこもった。
その時。
ーーガタンッ!!
突然部室のドア付近で音がした。
「え…ユキくん。と…部長!?」
部室のドアの前で
愕然と立っている人物。
書道部3年 副部長 山田メグ。
「あ、メグ!」
「山田先輩!」
私とユキくんが
同時に気付いて声を出す。
…あ、勘違いされたかも。
そう思った瞬間、予想通りの言葉が
メグの口から出る。
「ぶ、部長とユキくん
付き合ってるの?」