君の心に響け
その後15分はあっという間に過ぎ、
真子先輩が現れた。
まずは麻由香から自己紹介をした。
麻由香は中学校の時、全国常連の吹奏楽部に
所属していて、この高校には一般入試で
来たという。
たまたま、その年だけ全国大会に出れたという
晴にとっては、それがどれだけ凄いかが
よくわかった。
晴が推薦で来ることを知ると
ますます麻由香は晴に嫌悪感を
だしている気がした。
でもそんな全国に行った人がゴロゴロ
ここにはいるんだと思うと、楽しみと不安で
なんとも言えない気持ちになった。
トランペットをお互い吹き終わると
真子先輩は、何も言わず
「ありがとうございます。では明日から
1年生は1ヶ月間体力の基礎を
つけてもらうことに
なると思うので楽器は入りません。
仮入部を持ってまた明日の指示に
従ってください。」
と最後まで笑顔を見せなかった。
真由子も、晴に最後まで笑顔を見せず
素っ気ない態度だったので
晴は先輩達や同級生と
これからやっていけるのだろうか
不安な気持ちでいっぱいになっていた。