君の心に響け

次の日の朝から早速朝練が始まり、



吹奏楽部では



入学式初日とは比べものにならない



鬼のような練習だったり、先輩達の怒号が



飛び交った。




晴は小さい時、体が弱く運動が



苦手だったこともあり、



流星の影響で入りたかった



ソフトボール部を断念して



音楽部に入ったのに、



気づけば朝から学校の800メートルある



外周を5周ちょっと走っていた。




晴の中学校の部活は運動で言うと




腹筋しかないし、周りも



晴が体が弱いことを



理解してくれていたので



あまり、苦労することはなかったが



とてもじゃないけど先輩の




「走れ!遅い!」




と言う声や、周りの走っている1年生が



辛そうに走っていると



体が弱いので走れません、と言って



走らないという選択をする勇気が



なかった。



また晴が体が弱く、体調をすぐに



崩したりするのは本当だが、



だからと言ってお医者さんに



運動禁止など止められている訳でも



なくそれを理由に



皆が頑張っているメニューを



自分だけ逃れるのは違うな



嫌だという気持ちも



大きかった。



晴は休みの間、さぼらずに楽器の練習は



していたけど、運動はしていなかったので



しとけば良かったと



心の底から後悔していた。



吹奏楽部の仮入部時点での



1年生の朝練では最初に外周8周



というメニューがあり、



それは他の3強と呼ばれる部活にもある。




野球部とサッカー部は吹奏楽より



厳しく、12周を走るという



メニューがあるそうだ。



いわばこれは桜木高校の3強にある



名物メニューらしい。




晴は、皆のスピードに




ついていけるように




晴にとっては速いスピードで



最初から走っていたので、もうすでに



走力の限界に近づいていた。




しかし、そのたんびに




横から息切れしながら晴を追い越す




吹奏楽部だったり



野球部、サッカー部を見て、



辛いのは一緒だ、頑張らないとという



気持ちが強くなっていた。





「晴、無理するなよ。」




汗だくになり、辛そうな表情を見せながらも



流星はとても心配そうに声をかけ、



ペースを晴に合わせ気にかけてくれた。



しかし、すぐに




「おい!流星!何してんだ!ペース

おちてるぞっ!」





と言われるとやべっと小声で言いながら




ほんと無理するなよ、体弱いんだから、




とだけ言い晴とは比べものにならない



スピードでまた走り出した。




晴は私のせいで怒られて申し訳ないと




思いながら流星の優しさに




感謝すると同時に、無理しなくていいや




という考えではなく、流星も




頑張っているんだから私も




頑張りたいと思う一心で走っていた。




しかし、体は限界に近づいていて



言うことをきかなかった。
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