君の心に響け
その後、真子先輩は
「では、早速15分後自己紹介と
トランペットを吹いてもらいます。
チューニングなどそれまでに済ましといて
ください。」
とだけ言い、去っていった。
吹奏楽部で言うチューニングとは
音を合わせることで、吹奏楽をやる上で
かかせないウォーミングアップだ。
晴は隣にいるトランペット希望の女の子に
挨拶しようとしたが麻由香は
すでにトランペットを取り出し
練習をしようとしていた。
晴は挨拶するのを辞め、
春休みにもきちんとサボらず
練習していたから大丈夫だと
自分に言い聞かせて
楽器を吹く準備をした。
すると隣からトランペットの音色が
聞こえてきた。
晴は、自分とは違うカッコいい音色で
上手だと思ったので麻由香に
「すごい上手だしカッコいい音色だね。」
と興奮気味で言った。
真由子は
「どうも。」
と一瞬だけ晴を見ながら言って
練習を続けた。
晴は、素っ気ない返事などから
嫌われている?と思いながら
晴が楽器を吹くと、となりの麻由香が
ギロッと一瞬だけ晴を見て
そのまますぐに何食わぬ顔で
練習を続けた。
晴はあっ嫌われていると察し
心の中でスカートがいきなり短かったからかな
とか理由を色々考えていた。